青貝

 螺鈿(らでん)の材料に用いる貝。鸚鵡貝(おうむがい)・夜光貝・鮑貝(あわびがい)・蝶貝などのユキノカサ科の皿形の巻き貝。潮間帯の岩礁上や石の裏などにすむ。卵型で平たく、背は青黒色、内面は乳青色で美しい。本州・四国・九州に広く分布する。
 真珠光を放つ部分をとって薄片とし、漆器あるいは木地などの面にはめ込んで装飾とするもの。紫緑色を帯びて美麗。一般に薄貝を用いたものを青貝といい、厚貝を用いたものを螺鈿という。また、貝殻で飾ることを貝摺(かいすり)ともいう。わが国では奈良・平安時代に盛行。漆工芸の一技法。夜光貝・あわび貝など、真珠光を放つ貝殻を文様に切って、木地や漆塗りの面に嵌(は)めこんだり、貼りつけたりしたもの。厚貝法、薄貝法、割貝法、蒔貝法などがあり、また、貝の裏に彩色したり、毛彫や彫刻をほどこしたりする方法もある。中国の唐代に発達、日本には奈良時代にその技法が伝えられ、平安時代には蒔絵に併用されて独特の効果をあげた。青貝。貝すり



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